未知なる時代を切り拓く力

「成長社会」から「成熟社会」に移行しつつある世界。そんな世界では、新しい発想力、積極的な行動力が求められる。そのためには、これからの時代を切り拓く若者の「意欲」と「能力」を育んでいくことが大切だ。本章では、様々な方法で、生徒の能力を高める取り組みをしている学校を紹介する。

増渕 陽祐 先生

淑徳中学校・高等学校

GLPをベースにした
新しい探究学習がスタート

社会に向かって一歩踏み出す
行動力を備える人材育成

「利他共生」の理念のもと、仏教の教えをベースにした人間教育を行っている淑徳中学校・高等学校。1年間の海外留学を組み込んでも3年で高校を卒業できる留学コースを30年以上前から導入するなど、国際教育にも力を入れている。海外で学んだ経験が生徒をアクティブにすることを実証してきたが、その効果を留学コース以外にも導入すべく、今年度から高校の探究プログラムを大幅に見直し、行動力あふれる生徒の育成に乗り出した。

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昭和学院秀英中学校・高等学校

AI時代に必要なのは
「問いを立てる力」

探究活動を通じて時代
先導者を育てる

建学の精神「明朗謙虚」「勤勉向上」の下、生徒一人ひとりの自己実現を支える進学校として知られる昭和学院秀英中学校・高等学校。グローバル化や生成AIの発展など、従来の価値観や科学技術が急速に変化する社会にあっても、生徒たちが伸びやかに飛躍できるよう、昨年度から「骨太な進学校」というスローガンを掲げ、さまざまな教育改革を行っている。その具体的な内容について、校長の田中尚子先生に聞いた。

校長 田中 尚子 先生

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左:ライオン株式会社 研究開発本部
名古屋市立大学大学院 薬学研究科
研究員 手島 涼太 さん
右:成城中学校・成城高等学校
学年主任・理科教諭 水野 和浩 先生

成城中学校・成城高等学校

中学時代からの研究を
今も続ける研究者
恩師と語り合う

「やりたい」伸ばしてくれる環境が研究の世界で活躍する素地になった

今年で創立140周年を迎えた成城中学校・高等学校。臨海学校と林間学校を日本で最初に導入するなど男子校としての長い伝統を誇り、多彩な領域で活躍する人材を多数輩出している。今回登場する手島涼太さんも、中学時代からハイドロゲルの研究に打ち込み、現在も研究者として同じテーマを追い続けている。中高時代の思い出や現在の研究などについて、当時の恩師・水野和浩先生と語り合ってもらった。お二人のお話から見えてくるのは、同校ならではの教育風土や指導法の特色だ。

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千代田中学校・高等学校

「研究」「開発」
2コース制で未来をつくる
〝学ぶようにあそび、
あそぶ
ように学ぶ〟生徒

各分野から注目を集めている千代田中学校・高等学校は、2025年4月、千代田国際中学校・武蔵野大学附属千代田高等学院が校名を変更し、新たなスタートを切った学校だ。校名変更と同時に、中学に「研究」と「開発」の2コースを新設。さまざまな分野のフロントランナーと共に、「学ぶようにあそび、あそぶように学ぶ」ための本格的なプロジェクトを進行している。一人ひとりの得意を自己実現につなげる仕掛けについて、校長の木村健太先生に聞いた。

校長 木村 健太 先生

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中等部教頭 奥田 修司 先生

東京農業大学第一高等学校中等部

伝統の教育理念「知耕実学」に加え、
「共創」
をテーマに
完全中高一貫校としての新たなステージ

2025年4月から完全中高一貫校として新たなスタートを切った東京農業大学第一高等学校中等部。「知耕実学」の教育理念のもと、本物に触れる「実学」を重んじる教育を実践し、進学校としても存在感を増している。現在の同校の「ステージ」について、奥田修司教頭に語っていただいた。

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富士見丘中学高等学校

英語教育・探究学習・ICT活用を連動させた
「グローバルコンピテンシー育成」の成果が現出

多彩なプログラムによるグローバル教育に定評がある富士見丘中学高等学校。2015年に文部科学省からスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)の指定を受けたことを機に教育内容を徹底的にブラッシュアップ。その後、ワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム(WWL)開発拠点校や、DXハイスクールにも採択されるなど、今、勢いを感じさせる学校の一つだ。海外・国内ともに大学進学実績が伸びている背景を含め、教育姿勢や取り組み内容について広報副部長の田中裕樹先生に話を聞いた。

英語科・広報副部長
田中 裕樹 先生

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校長 井家上 哲史 先生

明治大学付属明治高等学校・明治中学校

高大連携・中大連携で生徒に選択肢を示し
進路を叶える名門付属校

明治大学付属明治高等学校・明治中学校は明治大学唯一の直系付属校。約9割の生徒が明治大学に進み、そのほぼ全員が第一志望の学部に進学している。このため中高一貫、6年のうちに夢や進路を定めれば、適性に応じた大学での学びや必要な能力の育成に早くから取り組むことが可能だ。同校では明治大学との連携及び卒業生の人脈を活用し、高大連携をはじめとするさまざまなキャリアプログラムを行い、司法試験や公認会計士、国家公務員などに多くの人材を輩出してきた。井家上哲史校長が同校が実践するキャリア教育について語った。

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公文国際学園中等部・高等部

グローバルリーダーを育てる
教育展開

海外での探究活動導入主体的将来選択につなげる

1993年に開校した公文国際学園は、自学自習に公文式を導入していることや、寮を備えていることに加え、制服や校則がなく、生徒の自主性を重視している。今年度から、中1〜高2にかけての探究学習のプログラムを一部見直し、また、定期テストの廃止や海外姉妹校との交換留学プログラムなど、新しい取り組みにも力を入れている。

左:校長 公文 晶子 先生
右:広報 橋爪 紀人 先生

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※本記事は『日経ビジネス 教育特集号 AUTUMN.2025〈東京ストーリー〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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