女子聖学院中学校・高等学校 || 女子校伝統の魅力と展望 || 東京ストーリー 教育特集号 AUTUMN 2025

女子聖学院中学校・高等学校

スカラシップ英語資格利用入試を新設
言葉で世界とつながる
国際理解教育を拡充

キリスト教教育を基盤に、自分を育み、活かす教育を推進している女子聖学院中学校・高等学校。ミッションスクールの伝統を活かした英語教育や国際理解教育に力を入れており、次年度から英検®4級以上の保持者に朗報となる「スカラシップ英語資格利用入試」を導入することで、より質の高い教育環境の実現をめざす。

英語4技能+プレゼンテーションスキル=本当に“伝える力”を育てる

多様な人々と交流する
国際理解教育を推進

 女子聖学院の国際理解教育は、キリスト教教育のもとで育まれる豊かなこころを前提に実施されている点に大きな特長がある。6年間で1200回もの礼拝を経験し、たくさんの「良い言葉」に触れることで、英語と同時に、多彩な世界の実相を理解することをめざしているからだ。帰国生や海外にルーツを持つ保護者の元で育った生徒の存在が、校内にダイバーシティへの高い感受性を浸透させていることも、英語修得への大きな原動力になっている。

"聴き合う"から生まれる本質的な対話力が育つGlobal 3day Proglam

 代表的な国際理解教育が中学における「Global 3day Program」だ。英語だけで活動する日を毎年3日間設け、英語4技能に加え、プレゼンテーションスキルを伸ばす教育を行っている。

 「どんな人とでも話せるように、あえて多様なネイティブスピーカーを用意し、最終日には全員が英語でプレゼンを行います。ポジティブリスナーを育成し、自発的に双方向コミュニケーションへと発展させていける力を養うプログラムになっていると思います」と塚原隆行教頭は話す。

 留学プログラムも多彩だ。中学3年で1年間の海外留学が経験できるイギリス・ロンドンでの「立教英国学院留学」をはじめ、オーストラリア・クイーンズランド州の高校への「ターム留学」「年間留学」のほか、昨年度からはフィリピン・セブ島の「短期語学留学」と、ロンドンの「名門私立寮滞在10日間」も隔年開催でスタートした。

 日々の英語教育では、ネイティブ教員の授業はもちろん、日本人教員とのダブルティーチングや2〜3分割での習熟度別授業の導入など、手厚い指導を行っている。さらに、英検Ⓡ二次試験対策用講座や、レシテーションコンテスト(中学)、スピーチコンテスト(高校)など、使える英語を身につける取り組みも豊富に用意している。

英検Ⓡ級に加点される
スカラシップ入試を導入

 英語修得に意欲的な生徒を増やすため、2026年度入試から「スカラシップ英語資格利用入試」を新たに導入する。国語と算数の2科目の得点に英検Ⓡ級によるみなし得点を加えた300点で合否判定を行う入試で、みなし得点は4級70点、3級80点、準2級90点、2級以上100点に設定されている。また、成績上位者はスカラシップ合格者として、入学金や授業料の減免を受けられることになっている。

 新設の英語資格利用入試が実施されるのは2月4日の午後で、募集人員は5名。同時刻に2科の第6回入試を行うが、別の入試として定員を分けているため、募集人員は変動しない。

 この入試の導入に合わせて、英語教育システムもアップデートする。たとえば3級以上の保持者を対象に週2時間、ネイティブ講師による取り出し授業を行うほか、4級以上の保持者には、放課後に週1時間、それぞれのレベルに合わせた「教科横断型オンライン英会話授業」を用意し、1つ上の級をめざす生徒を保護者も含めてサポートできるように「英語学習アドバイザー制度」も導入する。ターム留学・年間留学プログラムへの参加者には奨学金も支給する。新設入試とこれらの取り組みは、国際理解教育をより深化させる駆動力になるはずだ。

英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

安田教育研究所・安田理先生の
女子伝統校
ここ魅力

ミッションスクールというと上品でおとなしい生徒が多いというイメージがあるが、女子聖の運動会はものすごく活発。女子校では学年対抗が多いが、女子聖では高校は学年対抗で中学は1クラスの中に高1、高2、高3に所属するメンバーがいるという、変則系。これが、「学年のまとまり」と同時に「学年を超えた信頼関係」を作る場となっている。運動会での経験が、社会に出てからすごく役立っているという卒業生が多い。

安田教育研究所
代表 安田 理 氏

女子聖学院中学校・高等学校 お問い合わせ先

※本記事は『日経ビジネス 教育特集号 AUTUMN.2025〈東京ストーリー〉(日経BP社)』に掲載されたものです。