※本記事は『日経ビジネス 教育特集号 AUTUMN.2025〈東京ストーリー〉(日経BP社)』に掲載されたものです。
2021年に設立された江戸川女子中学校・高等学校の「国際コース」では、質量ともに充実した英語の授業によって、生徒の英語力を向上させている。国際コースの生徒たちは、英語という武器を手に、今後どのようなビジョンを描いているのだろうか。中学入試対策委員の水嶋瞳先生と、国際コースの第1期生として入学した、現高2の2人に話を聞いた。
国際コース1期生 国際コース1期生
和田 依美里さん 森脇 楽々さん
江戸川女子中学校・高等学校が中学に「国際コース」を設置して今年で5年目。国際コースの生徒の印象について、「学びに対して非常に意欲的で、明確な目的意識を持って入学してくる生徒が年々増えているように感じます」と入試対策委員の水嶋瞳先生は語る。
国際コースの特色は、週9時間という豊富な英語授業数と、質の高い教育内容にある。国際コースのうち、英検Ⓡ2級以上の英語力を持つ生徒を中心とする「アドバンストクラス」では、英語授業の半分以上がネイティブ教員によるオールイングリッシュで行われ、3級・準2級レベルの「スタンダードクラス」では、オンライン英会話や多読を取り入れながら、英語力をバランス良く伸ばしていくのが特徴だ。
両者は、英語の授業こそ別カリキュラムで進んでいくものの、ホームルームや英語以外の授業は合同で学ぶ。日ごろのコミュニケーションを通して、互いに切磋琢磨できる環境も、生徒の英語力の向上を後押ししている。
加えて、アドバンスト・スタンダード合同で行われる英語探究活動「グローバル・スタディーズ」や、中3希望者を対象にした「バリ島海外研修」も国際コース独自のプログラムとして力を入れている。特に後者は、貧困や環境問題について、現地の人々とのコミュニケーションを通して主体的に考えさせる内容となっており、英語による思考力・表現力の向上のみならず、国際的な視点を養う機会として、生徒にとって学びの多い時間となっている。
国際コース募集初年度に入学した第1期生は、今年で高校2年生になった。中1から重点的に英語力を磨いてきた彼女たちは、今後について、どのようなビジョンを描いているのだろうか。
「わたしは法に興味があるので、大学では法学部に進みたいと考えています」と話すのは、現在高2でスタンダードクラスに所属する森脇楽々さんだ。英語以外にも、韓国語や中国語など得意な語学を伸ばし、「国際的な法曹の世界で活躍したい」と夢を語ってくれた。
同じく現高2でアドバンストクラス所属の和田依美里さんは、「わたしは理系科目が得意なので、今年から普通科の理系クラスに進みました」と語る。高2から普通科を選択した形だが、英語と英文法の時間はアドバンストクラスと同じ授業を受けていると言う。充実した英語環境でスキルを磨きつつ、それを自身の興味関心につなげて進路の幅を広げていくわけで、まさに「良いとこ取り」の学びといえるだろう。
水嶋先生は、「国際コースの魅力は、高い英語力を武器に、幅広い進路を選べる点にあります。近年、大学受験の主流となりつつある総合型選抜や学校推薦型選抜も、英語資格試験のスコアは大きなアドバンテージになります。生徒たちには、英語という強みを生かして、志望大学に積極的に挑戦し、みずからの進路を切り開いていってほしいですね」と、今後の展望を語った。
中学入試対策委員
水嶋 瞳 先生
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
2期制、週6日授業、さらに2022年から「65分授業」だったものを「45分授業」にしたので、ふつうは週34コマであるが、週39コマもある。
昔から英語教育には定評があるが、これで英語は「国際コース」だけでなく全員が週9コマも学ぶことになった。英語力が一段とアップしたことで、大学入試でも一般選抜だけでなく、総合型選抜、学校推薦型選抜での合格実績も上昇している。
安田教育研究所
代表 安田 理 氏
江戸川女子中学校・高等学校 お問い合わせ先
TEL.03ー3659ー1241
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