女子伝統校の魅力と展望

安田教育研究所
代表 安田 理 氏

男子校、共学校の学校案内にはなく、伝統女子校の学校案内でしばしば目にする言葉に「品性」「品格」がある。以前だったら、言葉遣い、身だしなみ、立ち居振る舞いが上品なさまを指して使われていた。
私がいまこの言葉を意識するのは、毅然とした姿勢で仕事をしている人についてである。例えば、緒方貞子さん(元国連難民高等弁務官)。10年にわたって世界の難民の保護と救済の最前線で活躍された。赤根智子さん(国際刑事裁判所所長)。プーチンに逮捕状を出し、そのことでロシアから指名手配されている。が、少しも動揺せず、毅然と世界を飛び回っている(ロシアやその友好国の上空を飛ぶと強制着陸を命じられて拘束される可能性があるので、そこだけは避けているそうだが)。
男が空気を読んだり、長いものに巻かれたりしている姿をしばしば目にしているだけに、お二人の生き方に人間としての「品性」「品格」を感じる。
お子さんがこれから社会に出ていくと、いろんなところに多種多様な誘惑があるに違いない。そうした陥穽に陥らないためにも、お二人のような「品性」「品格」のある生き方をしている女性の話をしていただきたい。それがお子さんを人から支持され、より大きな仕事ができる存在にすると思うのだ。

鷗友学園女子中学高等学校

教科書の枠を超えた世界に
触れられる特別な講座
学問的視野を広げる

毎年、国公立大学や難関私立大学へ多くの卒業生を送り出している鷗友学園女子中学高等学校。高2から理系・文系・芸術系に分かれ、進路に向けた学習を深めて行く同校では、文理選択を控える高校1年生を中心に、高校生全体を対象とした「教科横断Day」を2023年より開催している。さまざまな専門領域を持つ教員たちが協働し、通常の授業とは異なる視点から展開する20講座を通して、生徒の学問的視野を広げるこの取り組み。当日の様子をレポートする。

国語の大野先生と英語の眞田先生による
「「春はあけぼの」ってどう訳す?~翻訳を通して「言語」を科学する~」の授業の様子

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校長 真下 峯子 先生

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校

昭和医科大学との間で五修生制度がスタート
医学部にも海外大学にも
挑戦できる環境を用意

「世の光となろう」を建学の精神に掲げ、自ら考え、自ら行動する女性の育成に力を注いでいる昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校。「SHOWA NEXT」と命名した新カリキュラムも10年目を迎え、本科、グローバル、スーパーサイエンスの3コースの垣根を超えて学び、チャレンジする生徒も増えており、今年度の卒業生20名が海外大学への合格を果たすなど、進路の幅も広がっている。そんなSHOWAの今を、真下峯子校長に伺った。

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東京女学館中学校・高等学校

国際社会で通用する
女子リーダーシップ教育
先進校に聞く

女性リーダーシップ教育に長い伝統を持つ東京女学館中学校・高等学校。帰国子女と国内生が同じクラスで学ぶ、当時としては画期的な試みとして始まった国際学級も今年で22年目を迎え、巣立った生徒は国際社会の一線で活躍するようになっている。2026年度から2クラス体制に強化される国際学級の歩みと成果、今後の目標などについて、国際学級主任の青木理恵先生、国際副教頭のクリスタル・ブルネリ先生に話を聞いた。

国際学級主任
青木 理恵 先生

国際副教頭
クリスタル・ブルネリ 先生

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成田 莉緒さん 髙橋 愛未さん 浅野 真白さん

東洋英和女学院中学部・高等部

社会をより良くしたいなら
まず自分から動く
それが英和の当たり前

毎朝の礼拝からはじまるキリスト教教育で長い伝統を積み重ねてきた東洋英和女学院中学部・高等部。学院標語「敬神奉仕」が浸透しているためか、「誰かのために」あるいは「世界の理解のために」を掲げて、ボランティア活動をはじめとする自主的な活動に取り組んでいる団体も多い。こうした自主活動に力を入れる生徒たちが何を考え、何をめざして活動をしているのかを伝えることで、東洋英和生の“ありのままの姿”を紹介しよう。

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江戸川女子中学校・高等学校

「国際コース」1期生高校2年生
高い英語力武器
多彩進路を切り拓く

2021年に設立された江戸川女子中学校・高等学校の「国際コース」では、質量ともに充実した英語の授業によって、生徒の英語力を向上させている。国際コースの生徒たちは、英語という武器を手に、今後どのようなビジョンを描いているのだろうか。中学入試対策委員の水嶋瞳先生と、国際コースの第1期生として入学した、現高2の2人に話を聞いた。

左:国際コース1期生 和田 依美里さん
右:国際コース1期生 森脇 楽々さん

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器楽の授業の様子。八重桜祭や卒業演奏会においては、授業の成果を発表する

学習院女子中・高等科

緑豊かな充実した環境
「深度」を重視し
考える力と表現力を伸ばす

華族女学校をルーツに持つ学習院女子は「その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につける」を教育理念に掲げ、極端な先取り学習とは距離を置き、深みのある教育を展開している。勉学の意義やおもしろさを知り、大学でも積極的に学びに参加する卒業生が多いという。

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恵泉女学園中学・高等学校

キリスト教に根ざした
人格教育平和
実現する国際人育成

2029年に創立100周年を迎える恵泉女学園中学・高等学校は、伝統ある女子校ながら、TPOに合わせた自由服や、個性を尊重するのびのびとした教育環境をもつ。その一方で、早期からSTEAMやICTなど先進的な教育を行い、高い学力と知的探究心を培っている。その土台には、常に「聖書」「国際」「園芸」という創立以来の教育基盤がある。平和への不屈の意志とともに、その実行力を育む教育について、本山早苗校長と松井信行副校長に話を聞いた。

左:副校長 松井 信行 先生
右:校長 本山 早苗 先生

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英語4技能+プレゼンテーションスキル=本当に“伝える力”を育てる

女子聖学院中学校・高等学校

スカラシップ英語資格利用入試を新設
言葉で世界とつながる
国際理解教育を拡充

キリスト教教育を基盤に、自分を育み、活かす教育を推進している女子聖学院中学校・高等学校。ミッションスクールの伝統を活かした英語教育や国際理解教育に力を入れており、次年度から英検®4級以上の保持者に朗報となる「スカラシップ英語資格利用入試」を導入することで、より質の高い教育環境の実現をめざす。

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聖心女子学院初等科・中等科・高等科

伝統教育の根幹はそのままに
時代の変化に適応した
よりよい学習環境を整備

1908年の創立以来、聖心女子学院は、女子教育の伝統校として実績を築いてきた。女子の発達段階に応じた教育によって、自分自身を深く知り、希望の進路の実現に向けて実力をつけていくのが同校の特色だ。今年度から校長に就任した藤原恵美先生に、同校の強みや新たな取り組みなどについて伺った。

校長 藤原 恵美 先生

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左:国際教育支援部長 岩川 直子 先生
右:中3学年主任 根岸 一真 先生

東京家政大学附属女子中学校・高等学校

2つ新教育プログラムを導入
世界とつながる力を育成し
教科と社会のつながりを実感

今年度からは新たな教育プログラム「グローバル・コンピテンス・プログラム」を導入し、大学と連携しながら進める教科横断型の「Creative Learning」にも意欲的に取り組んでいる東京家政大学附属女子中学校・高等学校。長年培ってきた「25歳の私」を描くキャリア教育は、さらにバージョンアップ予定だ。

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普連土学園中学校・高等学校

海外や大学との交流を通じ
学びの質を高める
教育プログラムを展開

数あるミッションスクールのなかで、唯一キリスト教フレンド派によって創設された普連土学園中学校・高等学校。生徒の主体性を重んじ、自由に伸び伸びと成長できる教育環境を整えている。単なる語学研修とは一線を画したオリジナリティに富んだ海外研修プログラムや、大学との連携を通じた発展的な学びなどについて、青木直人校長に伺った。

校長 青木 直人 先生

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教頭 鹿野 直美 先生

聖園女学院中学校・高等学校

社会とつながりながら
自分の使命を実現させる
人間力や行動力を養う

1946年にカトリック女子校として創立された聖園女学院。2016年に創立者が同じ南山学園と合併し、南山大学との学内連携をはじめ、さまざまな大学との中高大連携を積極的に行っている。教頭の鹿野直美先生に、創立以来大切にしている教育方針や社会とつながる新たな探究学習などについて伺った。

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※本記事は『日経ビジネス 教育特集号 AUTUMN.2025〈東京ストーリー〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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